むし歯はミュータンス菌の感染と定着により起こります。歯がない口の中にはミュータンス菌はいません。ミュータンス菌は歯が生えてから定着するのですが、その多くが生後19~31か月に集中してみられることから、感染の窓といわれています。
ミュータンス菌の感染成立後、6か月から12か月遅れでむし歯の罹患率の上昇がみられます。
ミュータンス菌の定着と増加には砂糖の摂取量が関連しているので、1、2歳の時期にスポーツ飲料やスナック菓子の摂取は控えたいところです。
この時期に食具の共用、まわし食べを控え、砂糖の摂取制限ができれば、その後のむし歯の罹患をかなり抑制できます。
細菌叢が落ち着くのが4~6歳ごろといわれているので、幼児期を通じて砂糖摂取は控えたいものです。生活の彩りとして何かのイベントの時にお菓子やケーキを食べる程度がよいのでないでしょうか。泣いたらあめ玉というような環境ですとハイリスクになってしまいます。
むし歯になりにくい食品としては、せんべい、チーズ、くだもの、干しいも、さつまいも、にぼしなど、砂糖が多いが短時間で食べられ口腔内に残りにくいものとしては、アイスクリーム、プリン、ゼリー、加糖ヨーグルトがあります。
第2子、第3子となるほどう蝕感受性が高くなります。第1子にくらべ早期に砂糖の摂取が始まるからです。ですから、最初の子が大きくなっても下の子のことを考え、砂糖の入った食品は控えたいものです。